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彫刻の情報は彫刻か?印刷された彫刻は彫刻か?ウェブサイトの中の彫刻は彫刻か?彫刻とは何か?彫刻の情報に関する展覧会。
本展は彫刻作品に付随する情報についての展覧会です。 企画者は近年、東アジアの彫刻概念の伝播と拡大について、1930年代の東京美術学校の彫刻科への留学生に関するリサーチと作品制作を行ってきました。そこで見えてきたことは「彫刻」が実物以上に、言語や単純化されたイメージ等の2次的な情報に置き換えられることによって、東アジア広域に伝えられたという事です。例えば 韓国の場合、朝鮮戦争後の物資の乏しい中で美術家達はこぞって大きな港のある釡山に集まり、美術手帖などの美術古書を入手し、そこにある写真と文章から世界の美術の情報を得ていたそうです。こうした状況は西洋美術に対する日本の態度と重なるもので、雑誌や新聞など書物に掲載された彫刻の2次的な情報が彫刻そのもの以上に「彫刻」として受け取られ作用してきたという見方もできます。
本展は、彫刻作品とその二次的な情報についての展覧会であり、近代の東アジアの彫刻の受容と変遷を見つめ直すことを手がかりに「彫刻の情報は彫刻である」という仮説のもと旧来の彫刻観を解体し、現代における新しい彫刻表現の可能性を探るものです。皆様のご来場をこころよりお待ちしております。