葵祭で知られる上賀茂神社周辺の上賀茂地区。歴史的な旧家や蔵が多く残る風情ある町並みを今に残す閑静な住宅地であり、その一部は歴史的建造物群保存地区にも指定されています。この地に築100年は数えようかという木造2階建ての民家と蔵からなる「瑞雲庵 (ずいうんあん)」はあります。もともと両替商の邸宅だったこの住まいには茶室と美しい庭が残されており、京都らしい昔ながらの空間と空気を今に伝えています。既存の美はそのままに一部リノベーションをし、古いものと新しいものが溶けあう京都らしい「伝統と革新」を体現したかのようなスペースとなっております。
昔ながらの形を保ちながらも新しい息吹を取り入れた空間を持つ瑞雲庵。財団設立者である西枝 攻の「古き良きものを後世に残していきたい」という強い想いから、この場所を次代を担う若手創造者支援を主な目的とした展示スペースとして年2回、西枝財団の助成事業の一環として一般に解放しております。
歴史ある空間と未来ある若手創造者の個性のぶつかりあいの中から新しいエネルギーを生み出し、そして古いものと新しいものが混じりあいながら時を超えた新たな美のかたちや価値観の創造が次代の文化継承そして育成の一助となるような場所を目指して機能し、また人と人・人と文化の交流地となるような場所を目指しています。