世界中で猛威をふるうCOVID-19は、多くの犠牲をもたらすと同時に、それまでの行動様式を一変させる契機ともなった。人間の力で制御しきれないウィルスの猛威は、あらためて自然への畏怖の念を思い起こさせ、地球規模での環境破壊が急速に進む中で、立ち止まるきっかけがもたらされたのではないだろうか。
カール・ブッセの「山のあなたの空遠く「幸い」住むと人のいふ」の詩句にもあるように、山は洋の東西を問わずはるかな憧れを掻き立ててきた。山は聖地として信仰の対象となっていることが多く、修験道の修業の場や霊山として恐れられ、あるいは敬われている。山は多様な生物をはぐくむ豊かな場所であると同時に、異形の者たちがうごめき、異世界への通路としても機能する。そびえ立つ山は人間に限界を超えるよう挑みかける一方、暮らしのそばに寄り添い、四季折々に自然の恵みをもたらしてきた。 本展では、ヨーロッパと日本の山をモチーフとした作品から、こうした山の持つ神秘的な力や魅力に源を探る。東洋と西洋において「山」がどのようなシンボルとして機能しているか、相互に比較を行いつつ、古来敬われ、あるいは親しみを込めつつも畏れられてきた山の様々な表情の一端を明らかにしてみたい。
関連行事では、山水画研究者や哲学者らをゲストとして招きながら、作家を交えて「山」の汲みつくせない魅力に迫る。
主 催|「山怪」展実行委員会
助 成|公益財団法人 西枝財団、ポーランド広報文化センター
後 援|日本ポーランド協会関西センター 特定非営利活動法人フォーラム・ポーランド組織委員会
企 画|加須屋明子
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山怪展YouTubeチャンネル
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